これは素晴らしい質問です。なぜなら、結局、赤ちゃんが痛みを感じていれば、非常によく泣くのです。
繰り返しになりますが、この泣き声、特に数週間から数カ月にわたる泣き方のパターンが、痛みによるものではないと判断できる理由はいくつもあります。 しかし、そのいくつかを説明する前に、この判断を助ける医療従事者の役割について、重要な点を挙げておきましょう。 乳幼児が病気や体調不良のときに、長時間泣き続けることがあるのは事実です。 通常、病気のために泣くことは、前に述べたような通常の泣きの増加と減少の「上乗せ」です。 しかし、それはもちろん、親が知るのは非常に難しいことです。 ですから、病気の徴候がないかどうかを調べるために、赤ちゃんを医療機関に連れて行くことは常に適切なことなのです。 医療機関では、関連する病気があるかどうかを判断するために、いくつかの簡単な検査をしてくれるかもしれません。 泣くだけでなく、下痢(頻繁に、ゆるく、湿った便をする)、体重減少(特に、1日か2日ではなく、数週間にわたって)、発熱など、病気の可能性を示す他の症状があるかどうかを知ることができます。 最後に、泣き声がいつも甲高く(「絶叫」と言う人もいます)、泣くときにいつも背中を丸めていて、昼過ぎから夕方にかけて泣き声がひどくならない乳児は、必ずしも病気であるとは言えませんが、その可能性が高いということもあります。 ですから、よく泣く乳児には、泣きの原因となっている病気がないかどうか、医療従事者が常に評価することが適切です」
「赤ちゃんが病気かもしれないと思ったら、医療従事者に診てもらうことが大切です」
しかし、病気のない乳児(約98%)でも、なぜその乳児に痛みがないと言えるのでしょうか。 もし、これらの泣き声の特徴が痛みの現れであるならば、文化に関係なく、世界中の基本的にすべての乳児が、生後数ヶ月の間、何時間も何週間も痛みを感じていることを受け入れなければならないからです。 また、同じような苦痛のカーブを持つ他の動物種も痛みを感じるということになり、未熟児は最初の2、3ヶ月は痛みを感じないが、6、8週間元気だった後、数週間から数ヶ月間痛みを感じるようになるということになるのです。
もうひとつの理由は、乳児はたくさん泣くことがあっても、1日のうちで完全に幸せで、クンクン鳴いたり、くすくす笑ったり、すばらしく反応する時間帯もあるということです。 私たち大人が病気のときに感じるのはそのようなものではありませんし、乳幼児にとってもそうであるとは思えません。 そして、多くの母親が、ある瞬間は元気で満足していたのに、1分後には泣き出してしまうという、非常に急激な変化を経験するのです。
ここで留意すべき違いの1つは、先に述べたように、長引く泣き声の急性エピソードを1回だけ話しているわけではないことです。 このような特定の泣き声の場合、乳児が痛みを感じているのか、それともただ泣いているだけなのかを見分けることは非常に困難です。 ここで重要なのは、生後数週間から始まり、午後遅くから夕方にかけて起こり、数週間かけてピークに達するという、乳児の泣き声の増加について述べている点です。 これは、一回の急性期の泣きではなく、長期間にわたる長時間の泣きです。 痛みによるものではない、そのような泣き方のパターンです。
非常に役に立つ研究が、この幼児期の泣き方の増加が痛みの現れではないと確信できる、もうひとつの理由を示してくれました。 この研究では、「疝痛」の基準を満たした乳児(つまり、「疝痛」の説明については次のセクションを参照)が、「疝痛」のない乳児に比べて大泣きするのは、肉体的苦痛が大きいからではなく、同じストレスと軽い痛みを伴う刺激(すなわち、医師の診察室で行われる典型的な身体検査)に対して、より大きく激しく泣いていることが示されたのです。 言い換えれば、同じ刺激と同じ生理的(または身体的)ストレスに対して、より多く、より長く泣く赤ちゃんがいますが、それはより多くの痛みやストレスを感じているからではないのです。
「高泣き幼児をそれほど泣かせるものは、身体的苦痛ではなく、
むしろ幼児がより大きく激しく泣いていることを示す研究」
最後に、もしこの長泣きが本当に病気の兆候なら、これらの幼児の少なくとも一部はまだ病気であり、人生の後半に病気が発見されるということは理にかなっているはずです。 しかし、このように泣き声が増えたり減ったりする乳児については、(前述のように、揺さぶられたり虐待されたりしていなければ)後年になってから病気になったという証拠はないのです。 生後6ヶ月を過ぎた頃に泣き声が強くなる乳児の中には、後に病気などの心配をするリスクがある場合もありますが、初期の泣き声の増加には当てはまりません
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