- メドエル
- 2014/10/3
人工内耳が電気パルスで音の情報を脳に送ることはご存知かと思いますが、この人工内耳は、その電気パルスを利用したものです。 しかし、通常の聴力では、音の情報がどのように脳に送られるのかご存知でしょうか? 耳はどのように機能しているのでしょうか。 それも電気信号で!
待ってください、では人工内耳からの電気信号と通常の聴力からの電気信号はどう違うのでしょうか?
その答えは、「いいえ、違います」です。 電気信号が聴覚神経に到達すると、その信号がどのようなものであっても、まったく同じように扱われます。
脳はどのように音情報を受け取るのか
音を知覚する本当の責任は、耳ではなく脳にあります。 蝸牛、そして実際には耳全体が、音を神経信号に変換し、音の情報を脳に伝えるように設計されています。
通常の聴覚では、すべては音波、つまり振動から始まります。 これらの音波は耳に到達し、鼓膜を振動させます。鼓膜は中耳の小さな骨を振動させ、これらの骨が音の振動を蝸牛に運びます。 脳底膜には何千もの有毛細胞があり、音波の圧力に反応して動きます。 有毛細胞によって音の周波数が異なり、ピアノのように配置されています。膜の下部にある細胞は高周波の音に反応し、上部にある細胞は低周波の音に反応します。
有毛細胞が十分に押し出されると、小さな電気パルス(時に神経衝動と呼ばれる)が発生し、隣接する神経細胞を刺激する。 神経細胞は神経インパルスを受け取ると、この電気神経信号を隣の細胞に中継し、その隣の細胞が次の神経細胞に信号を中継し、次の神経細胞が刺激され、といった具合に、この線はどこまで続いているのでしょうか。 この有毛細胞は蝸牛全体に何千個もあり、その一つ一つが聴神経につながっている。 聴神経は、脳の一部である聴覚皮質まで届く神経細胞のラインです。 聴覚皮質では、この電気的な神経インパルスが、音として体験できるものになります。
つまり、通常の聴覚では、このようにして音の情報が脳に到達するわけです。 これらの神経細胞が正しく機能しないとどうなるのでしょうか。 有毛細胞が機能しないために難聴になった場合、聴覚を再現するためにいくつかの解決策があります。
人工内耳。 電気パルス=電気信号の場合
これらのソリューションの1つが人工内耳で、有毛細胞が作り出す電気パルスを再現するよう設計されています。 神経細胞は単なるメッセンジャーであり、どんな電気パルスでも受け取れば問答無用で送り続けるからです。 電極アレイが蝸牛に挿入されると、神経細胞に十分近づいて電気信号を送ることができるようになります。 電極アレイから電気パルスが送られると、聴神経の神経細胞の標的部位が刺激されます。 これらの神経細胞は次に、自然の電気神経信号を隣の細胞に中継し、それが大脳皮質に到達するまで続いていきます。
EAS: Two Roads to the Same Destination
音の情報で脳を刺激するもう一つの方法は、EAS(Electric Acoustic Stimulation)を用いることです。 EASは、音の情報を脳に送る2つの異なるタイプの刺激を組み合わせたものです。 1つは、人工内耳に見られる電気刺激で、前述のセクションで説明しました。 7586>
このタイプの二重刺激は、蝸牛の高周波領域で有毛細胞がほとんど機能しておらず、低周波領域では有毛細胞が機能している人のために設計されています。 人工内耳の電気刺激は、有毛細胞が働いていない神経細胞に音の情報を送り、音響増幅は、まだ機能している有毛細胞に音の情報を送ります。
この2種類の刺激はどちらも電気パルスを作り出すので、聴覚神経細胞はどちらの刺激にも同じように反応します。 聴覚神経は、通常の聴覚と同じように、電気神経のインパルスを脳に伝え、その情報が音として認識されます。
脳幹を刺激する
ABI(聴性脳幹インプラント)は、脳の聴覚中枢に電気刺激を与えるものです。 聴覚神経を持たない人のために設計されたもので、蝸牛を介さずに直接脳幹に装着されます。
ABIと人工内耳には違いがあり、使用される状況も大きく異なります。 ABIは、後内耳性難聴の場合に使用されることが多く、聴神経の周りに腫瘍があり、聴神経が機能していないことが原因であることが多いです。 このような腫瘍を取り除くためには、通常、聴神経を切除する必要があるため、人工内耳はこのようなケースでは使用できません。
このため、脳に近い神経細胞に刺激を与える必要があります。 実際、インプラントは脳の一部である神経細胞に設置されます。 この神経は非常に密集しているため、ABIの1つ1つの接触は、人工内耳の1つ1つの接触よりもはるかに多くの神経細胞を刺激することになるのです。 ABIの電気パルスは音情報として認識されますが、脳はこの情報を、より正確にターゲットを絞った人工内耳の電気パルスの解釈とは異なる方法で解釈することになります
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