不動産投資分析におけるIRR(内部収益率)と割引率の違いは、前者が期待収益率を、後者は同程度のリスクの不動産に対する投資家の要求総収益率を表している点です。
IRRは、取得価格、保有期間中の不動産の予想ネットキャッシュ・フロー(保有期間終了時の不動産の転売による売却益を含む)を与えられた不動産投資の期待収益です。
割引率は、地元の不動産市場で活動する投資家が、同様のタイプとリスクの不動産への投資に対して求める収益率です。 不動産投資のリスクが高いほど、投資家がその将来キャッシュフローの現在価値を見積もる際に用いる割引率も高くなる。 なお、割引率が高くなると、ある収入の流れの現在価値は減少する。
割引率が不動産投資の内部収益率に等しくなるのは、その不動産の純キャッシュフロー(1年目から)をその率で割り引いた現在価値が、売り手の提示価格と等しい場合だけである。
これら3つの指標の関係については、弊社の記事「不動産投資における割引率、IRR、NPV」をお読みください。
不動産投資のIRRの計算方法と、不動産投資家がこの指標を使う際に心に留めておくべき問題については、弊社の記事「内部収益率」をお読みください。
Kolbe, P.T., & Greer, G. E. (著), Gaylon E. Greer. (2012). 不動産意思決定のための投資分析 第8版. Dearborn Real Estate Education.
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