胆汁の主な消化機能は、小腸の内腔にある脂肪の分散と消化を助けることである。 胆汁は最初肝細胞で形成され、その形成速度は主に胆汁酸が胆道または管腔に分泌される速度に依存する。 しかし、胆汁の流れの一部は、胆汁酸の分泌以外の要因に関係している。特に、肝細胞からのナトリウムの分泌に依存していると考えられ、セクレチン、コレシストキニン(CCK)、ガストリンなどの腸内ホルモンの作用にも部分的に支配されていると考えられる。 胆汁酸は常時約3グラムあり、そのほとんどが胆嚢に貯蔵されている。 胆汁は胆道を通る間に、水、塩化物、重炭酸塩が選択的に再吸収され、元の体積の10分の1程度に濃縮される。 この濃縮は主に胆嚢で行われ、その結果、胆嚢からの胆汁は肝臓からの胆汁に比べ濃度が濃く、色も濃い(色素が濃縮されているため)。 特に脂肪を含む食事によって十二指腸が拡張すると、CCKというホルモンが分泌され、胆嚢の壁の筋層を収縮させる。
無機イオン(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素、重炭酸)のほかに、胆汁にはタンパク質とビリルビンが含まれており、後者が希薄溶液では黄金色、濃縮溶液では濃い琥珀色の理由であるとされている。 しかし、胆汁酸(肝細胞のコレステロールに由来)、リン脂質(主にホスファチジルコリンまたはレシチン)、コレステロールが最も多く含まれている。 コレステロールは4つの輪を持つステロールで、食事から吸収されたり、肝臓や腸管粘膜で合成されたりする。 通常、水分の多い分泌物には溶けないが、コレステロールは胆汁酸やレシチンを含む複合体の混合凝集体の形で胆汁中にコロイド溶液として運ばれる。 レシチンと胆汁酸が十分でない場合、コレステロールは結晶化する。 肝臓はコレステロールから、チェノデオキシコール酸とコール酸という2種類の一次胆汁酸を合成している。 下腸で細菌の働きにより、コール酸の水酸基が1つ取り除かれ(デヒドロキシル化)、デオキシコール酸に変化する。 この二次胆汁酸は、腸から吸収され肝臓に再循環するため、胆汁中に現れる。 チェノデオキシコール酸も腸で脱水素化され、リトコール酸になるが、これも少量再吸収され、正常な胆汁中に現れる
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