SRES A2およびB2シナリオの7つの気候モデルによる数値実験結果を用いて、21世紀の東アジアの気候変動傾向を分析した。 その結果,中国の地表温度上昇は概ね世界平均と同期していることが示唆された。 しかし、中国東北部、西部、中部における気温上昇の振幅は、世界平均と比較して大きく、顕著な年変動が見られる。 21世紀の年平均地表温度は、緯度に沿って帯状に分布し、高緯度に向かって徐々に大きくなっており、特に北極と南極で大きな値を示している。 また、21世紀後半の北半球高緯度の年平均気温の大きな変化は、主に冬の温暖化である。 21 世紀前半の中国の降水量は、青海-西蔵高原で夏の降水量が大きく増 加する以外は、大気中の温室効果ガスの濃度上昇によって年降水量と季節降 水量にわずかな影響を受けるだけである。 しかし、21世紀後半には、年間降水量、季節降水量ともに中国で顕著に増加する
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