Background: アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の臨床経験から,レニン-アンジオテンシン系の阻害が高血圧や心不全に有効な治療法であることがわかっている。 ロサルタン(DuP753、MK954、コザール)は、アンジオテンシンIIとその受容体の相互作用を選択的に阻害することによりレニン-アンジオテンシン系を抑制する初めての非ペプチド性薬物である。
ロサルタンのエース阻害剤との相違点。 ACE阻害剤とロサルタンの薬理学的な相違は、有効性及び/又は安全性の比較に影響を及ぼす可能性がある。 ACEにはアンジオテンシンI以外にも基質がある(キニンなど)。 ACE阻害剤でキニンの代謝を阻害することは、ロサルタンでは生じない有益性(血管拡張など)及び/又は副作用(咳など)を誘発する可能性がある。 アンジオテンシンII形成の非ACE経路(例えば、アンジオテンシンI変換酵素)が記載されており、すべての組織におけるアンジオテンシンIIの形成を防止するACE阻害剤の能力を制限する可能性がある。 ロサルタンは、アンジオテンシンIIの生成経路や部位に関係なく、アンジオテンシンIIの反応を阻害する。 アンジオテンシンIIの結合部位はAT1とAT2の2つが広く認められている。 ロサルタンはAT1部位のみをブロックし、ACE阻害剤は両方の部位とアンジオテンシンIIの相互作用を機能的にブロックする。 AT2部位の生理的役割は不明であるため、ACE阻害剤とロサルタンのこの差の関連性には疑問が残る。
高血圧症。 高血圧症モデル動物において、ロサルタンの有効性はACE阻害剤の有効性と同等である。 また、腎機能障害、心肥大、血管肥大、脳卒中など高血圧の合併症を反映した動物モデルにおいても、ロサルタンとACE阻害剤の効果は同等である。 これらの結果から、キニン増強作用やアンジオテンシンI変換酵素の阻害作用がないことは、ACE阻害剤とロサルタンの薬理効果の差につながらないことがわかりました。 従って、治療効果に関しては、動物モデルの結果から、ロサルタンはキニン増強作用に起因する有害な副作用なしにACE阻害剤の有益な薬理作用を示すことが示唆された。