ABSTRACT :
Two phase dynamic incremental CTは造影剤の急速ボーラス注入開始後45秒および6分後にCTスキャンを取得する手法である. 我々は139例の3種類の肝腫瘍(肝腫72例,血管腫39例,転移28例)の造影パターンを解析し,パターンの違いがこれらの病変の鑑別診断に有用であるかどうかを検討した. Dynamic incremental CT scanは,ヨード化造影剤100 mlをパワーインジェクターで2 ml/secの速度でi.v.投与した後,実施した. スキャン時間は1秒,スキャン間ディレイは1.6秒とし,スキャン間のテーブルモーションを許容した. 造影剤注入開始後45-110秒(早期)および6-7分(遅延)後にCTスキャン(8-16セクション)を得た。 肝腫の増強パターンは以下の通りであった。 32%が早期相で完全に高密度、遅延相で完全に低密度であり、24%が両相で完全に低密度であった。 肝腫のほとんど(88%)は遅発期に完全な低密度病変として出現した。 血管腫の場合、早期には56%が末梢性高密度で、遅発期には36%が等密度、31%が完全高密度であった。 ほとんどの血管腫(85%)は早期相では完全な低密度ではなく、両相で完全な低密度であった血管腫はない。 早期転移では61%が低密度であった。 遅発性では57%が低密度であった。 早期転移では61%が低密度であり、後期転移では57%が低密度であった。 我々は、2相のdynamic incremental CTスキャンで見られる肝腫、血管腫、および転移の造影パターンは、これらの腫瘍の鑑別診断に有用であると結論づけた<3961>。